大切なのはブレインの見つけ方です。これは世の中は栄枯盛衰であり、特定の誰かを見つけ出すのではなく、「ブレインの探し方の方法論」を確立することが重要です。単にブレインの探し方を見つけるのではなく、ブレインをどう使うのか、つまり、あなたにとってチューニングの仕方を検証します。下記を対象に検証していきます。
ブレインを見つける3つのアプローチ
頼れるブレインはこの3つとします。
- 有名投資家の頭脳
- ウォーレン・バフェット、レイ・ダリオなど賢人の銘柄に学び、市場平均を上回るためのベストな銘柄選定を考えます。
- インデックスに込められた知恵
- 日経225、S&P500、NASDAQ100など各国の指標は、銘柄毎に組み込みの比率が異なります。そう、重み付けされているのです。この知恵を拝借し、より利益が高い銘柄選定を考えます。
- 機関投資家が手を出せない銘柄
- 投資のプロたちが手を出せない銘柄がこの世にはあるのです、つまり個人投資家しか買えない銘柄です。それは、粉飾決算など社会を騒がせてしまった企業や経営不振となった企業です。こらら企業の株を手にすることのリスク&リターンを検証します。
- 他にも、機関投資家が手を出しにくい、IPO銘柄についても検証します。
ブレインを見つけ出した後に、どの頻度で銘柄見直しをすればよいのかなど、運用の手間をシンプルにできないか検証します。利益と手間の少なさのバランスが重要です。以下は、有名投資家の頭脳をブレインとした場合の例です。
ここのブレインについて、具体的にみていきます。
有名投資家の頭脳
どの有名投資家を参考に、上位いくつの銘柄を対象にすればよいのか、その更新頻度は四半期かそれとも一年毎でよいのかを検証します。そして、有名投資家は一人でよいのか?それとも複数人を組み合わせる必要があるのかなど検証の幅を広げ、結論を見出します。実際の手間を考え、シンプルさを重視します。
著名な投資家には、株式市場やヘッジファンド、ベンチャーキャピタルなど様々な分野で成功を収めた人物がいます。イメージを沸かすため、以下にいくつかの有名な投資家を挙げます。
株式市場の投資家
- ウォーレン・バフェット (Warren Buffett)
- バークシャー・ハサウェイの会長兼CEO。
- 長期投資と価値投資の哲学で知られる。
- ベンジャミン・グレアム (Benjamin Graham)
- 「賢明なる投資家」の著者で、価値投資の父と称される。
- ウォーレン・バフェットの師匠。
- ピーター・リンチ (Peter Lynch)
- フィデリティ・マゼラン・ファンドの元マネージャー。
- 「ワン・アップ・オン・ウォール・ストリート」の著者。
- ジョン・ボーグル (John Bogle)
- バンガード・グループの創設者。
- インデックスファンドの提唱者。
- チャーリー・マンガー (Charlie Munger)
- バークシャー・ハサウェイの副会長。
- ウォーレン・バフェットの長年のビジネスパートナー。
ヘッジファンドの投資家
- ジョージ・ソロス (George Soros)
- ソロス・ファンド・マネジメントの創設者。
- 1992年の「ポンド危機」で莫大な利益を上げた。
- レイ・ダリオ (Ray Dalio)
- ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者。
- 世界最大のヘッジファンド運用者。
- ポール・チューダー・ジョーンズ (Paul Tudor Jones)
- チューダー・インベストメントの創設者。
- マクロ経済の動向に基づく取引で成功。
- デイビッド・アインホーン (David Einhorn)
- グリーンライト・キャピタルの創設者。
- ショートセリングで注目を集める。
- スティーブ・コーエン (Steve Cohen)
- SACキャピタル・アドバイザーズの創設者。
- 現在はポイント72アセットマネジメントを運営。
インデックスに込められた知恵
S&P500、日経225、TOPIX、NASDAQ100などインデックスの構成銘柄に着目し、上位いくつの銘柄を対象にすればよいのか、その更新頻度は四半期かそれとも一年毎でよいのかを検証します。そして、対象インデックスは一つでよいのか?それとも複数を組み合わせる必要があるのかなど検証の幅を広げ、結論を見出します。先程の有名投資家の知恵と同様に、実際の手間を考え、シンプルさを重視します。
イメージを沸かすために、日経平均を例に取ると、以下のようになっています。比率で言うと、トップ20銘柄で54%、トップ10銘柄で40%、トップ5銘柄で30%を占めます。
- ファーストリテイリング 10.05%
- 東京エレクトロン 8.65%
- ソフトバンクグループ 5.15%
- アドバンテスト 4.25%
- 信越化学工業 2.58%
- TDK 2.44%
- リクルートホールディングス 2.13%
- KDDI 2.11%
- ダイキン工業 1.85%
- ファナック 1.82%
- テルモ 1.75%
- 中外製薬 1.42%
- 第一三共 1.37%
- トヨタ自動車 1.36%
- 京セラ 1.22%
- レーザーテック 1.19%
- ソニーグループ 1.13%
- 日東電工 1.05%
- ディスコ 1.01%
- NTTデータグループ 0.98%
機関投資家が手を出せない銘柄
社会を騒がせる不祥事は不正会計から始まり多々種類があります。これらを起こした企業の末路は様々であり、復活する企業もあれば、経営破綻する企業もあります。
不祥事ではなくとも、事業がうまくいかず経営不振により危機的状況に陥る企業もあります。業種やその企業規模によっては、破綻による影響が大きいことや、外国企業に買収されることを避けるため、国の支援が入り、復活する場合もあります。
このような企業の株価がどのように変動したかを確かめ、これら企業の株に手を出すべきか検証します。マネーゲームの色が強いため、注意が必要ですが、機関投資家が参入できないため競合が少なく、しっかり見極められれば大きな利益が得られます。これはIPO銘柄も同じです。
イメージを沸かすために、例えば、2009年以降に不祥事を起こした日本企業は下記の通りです。
- 2024年 小林製薬 – 商品に含まれた紅麹による健康被害、初動対応の遅滞
- 2023年 ビッグモーター – 客の自動車に対する器物損壊、保険金不正請求、従業員への人権侵害
- 2023年 ダイハツ工業認証試験不正問題 – 衝突試験の不正認証
- 2023年 豊田自動織機 – フォークリフト用エンジンの不正認証
- 2022年 日野自動車エンジン不正問題 – 燃費並びに排ガス規制値改竄
- 2021年 アクアライン (水道屋本舗) – 水道修理サービスにおいて、度重なる特定商取引法に違反する行為
- 2019年 関西電力 – 幹部による金品受領、便宜供与
- 2019年 かんぽ生命保険 -不適切販売
- 2018年 KYB – 免震装置データ改竄
- 2018年 スルガ銀行 – 不正融資
- 2018年 SUBARU – データ書き換え
- 2018年 はれのひ – 粉飾、詐欺
- 2017年 ジャパンライフ – 粉飾、詐欺
- 2017年 神戸製鋼所 – 品質検査データ改竄
- 2017年 てるみくらぶ – 粉飾、詐欺
- 2016年 スズキ – 燃費詐称
- 2016年 三菱自動車 – カタログ燃費の詐称及び不正計測発覚後の再測定における燃費詐称
- 2015年 東芝 – 長期に及ぶ不適切会計
- 2015年 東洋ゴム – 免震パネル、防振ゴムなど試験データ偽装
- 2015年 タカタ – エアバッグ不具合
- 2013年 みずほ銀行暴力団融資事件 – 反社会勢力取引
- 2013年 カネボウ化粧品・ロドデノールによる白斑症状 – 製品瑕疵
- 2011年 オリンパス事件 – 粉飾決算
- 2011年 大王製紙事件 – 不正による巨額損失
- 2009年 JR東日本 – 信濃川発電所で10年に渡り違法な取水、虚偽報告
- 2009年 三菱自動車 – 内部告発が行われるまでリコールを放置