この一歩を住みだすのがとても大切である一方で、踏み出す難しさは私も重々承知しています。まさに私がそうだったからです。その心の葛藤を取り払ってくれた、3つの要素をここでお伝えします。私は頭では理解したものの、実際の行動に移すまで、つまり腹落ちするまでに相当の時間を要しました。
投資の世界に入る理由 ~預貯金でも、宝くじでもなく、投資~
「せっかく稼いだお金が少しでも減るなんて・・・」との思い、「会社の先輩が小さい頃、親父さんが株で失敗して家を転々とした・・・」という事実から、私は安心安全な預貯金派でした。しかし、20年、30年といった長期で投資すれば、勝てることがわかり、投資の世界に踏み込むことができたのです。世界、米国、日本を対象に、切り出した期間や時期はことなりますが、以下にならべてみました。
世界への分散投資
米国への投資
日本への投資
「株」を選ぶ理由 ~債券でも、金でも、FXでもなく株~
このグラフは、1802年~2013年の約200年間、アメリカにおける各資産の価値の推移を示した研究結果です。私はこれを見、それまで知見のあるとの理由で始めていた外貨預金をやめ、株に鞍替えしました。
- 株式(Stocks)
- 長期国債(Bonds)
- 短期国債(Bills)
- ゴールド(Gold)
- ドル(Dollar)
個別株ではなく、「インデックス」を選ぶ理由
ヘッジファンドと100万ドルを賭けた壮大な実証事件と著名投資家から愛する妻への助言を御覧ください。
バフェット v.s. ヘッジファンド 100万ドルの賭け
ウォーレン・バフェットが2008年に行った有名な100万ドルの賭けは、プロフェッショナルな投資マネージャーが選ぶヘッジファンドのパフォーマンスが、単純なインデックスファンドのパフォーマンスに勝つことは難しいということを証明するためのものでした。
具体的な内容は以下の通りです:
- 賭けの背景
- バフェットは、インデックスファンド(具体的にはS&P 500に連動するファンド)が、ヘッジファンドのパフォーマンスを長期的に上回ると信じていました。彼は、プロフェッショナルなファンドマネージャーが選ぶ個別の株やヘッジファンドのパフォーマンスが、手数料や運用コストを考慮すると、シンプルなインデックスファンドに勝てないと主張していました。
- 賭けの相手
- プロテジェ・パートナーズというヘッジファンド会社がこの賭けを受け入れました。彼らは、5つのヘッジファンドに分散投資したポートフォリオが、バフェットが選んだインデックスファンド(バンガードのS&P 500インデックスファンド)に勝つと信じていました。
- 賭けの期間
- 賭けは2008年1月1日から2017年12月31日までの10年間でした。
- 賭けの結果
- 10年間の結果は、バフェットの予想通り、インデックスファンドの圧勝となりました。具体的には、バンガードのS&P 500インデックスファンドは年平均リターンが約7.1%だったのに対し、プロテジェ・パートナーズが選んだヘッジファンドのポートフォリオは年平均リターンが約2.2%でした。
この賭けは、バフェットの投資哲学である低コストのインデックスファンドへの長期投資が、プロフェッショナルな投資家の運用する高コストのファンドよりも優れているという主張を強く支持するものでした。また、この賭けは一般投資家に対して、シンプルでコスト効率の高い投資戦略の有効性を示す重要な例となりました。
バフェットから妻への資産運用アドバイス
ウォーレン・バフェットは彼が経営する「バークシャー・ハサウェイ」の株主に送った2013年の「株主への手紙」の中で、S&P500への投資を勧めました。バフェット氏といえば個別銘柄への投資で巨額のリターンをあげてきたことが有名ですが、多くの投資家に自分の真似は難しいと考えているようです。
プロではない投資家の目的はパフォーマンスの良い銘柄を選ぶことではないし、それを実際に行うことは本人もそのアドバイザーにも難しいだろう。むしろ大切なことは幅広く横断的に投資することだ。S&P500に連動する低コストのインデックスファンドに投資することによりこの目的は達成できるだろう。
2013年のバークシャー・ハサウェイの「株主への手紙」
さらに続けて彼は自分の妻に対して相続財産の運用として、運用の90%はS&P500インデックスを、そして残りの10%は米国短期国債を買うように指示したと述べています。
実際、S&P500の構成銘柄は時代とともに、入れ替わりが行われています。
インデックスで「米国」を選ぶ理由 ~世界でも、日本でも、新興国でもなく米国~
比較する期間によるのでこれはなんとも言えませんが、定量的かつ定性的の両面から評価し、米国を選びました。
株価の推移(定量データ)
米国と日本を比較すると、圧倒的な差で米国の勝利です。比較開始の年が違うのでフェアではないもののです。
Google Finance
これに、全世界(iShares MSCI ACWI)と新興国(VWO)を重ねてみてもやはり米国の圧倒的な勝利です。
ビジネスの活力(定性データ)
Google、Amazon、Facebook/Instagram、そして復活を遂げたMicrosoftにOpenAI。ITサービスは勿論、製造業でも自動車ではテスラに、製造半導体ではNVIDIA。エンターテイメントではNETFLIXと、どの分野でも新しいサービスが盛んに出てくるのは、そう米国です。
優秀な人材がインドをはじめとした世界から集まり、必ずと行っていいほど、どの会社も駐在所を設置している。そう、みな米国を意識せず、ビジネスなどできないのです。
生み出されたサービスは米国内にとどまらず、世界各国で受け入れている。足元の米国でも、移民の流入により人口が減ることなく、ましてや労働人口が減ることもない、盤石な経済を支える仕組みができあがっている。