サラリーマンが税金のことを考えずとも、給与から税金を納めてくれる仕組みがあります。これと同じ仕組みが、投資で得た利益についても存在します。具体的には、源泉徴収とうい仕組みであり、株を始める際、証券口座を特定口座(源泉徴収徴収あり)にすることです。これにより、株で得た利益、配当金のいずれも税金を自動で納めてくれます。しかし、便利な仕組みには不利な反面もあり、税金が取られ過ぎている場合がります。今日は、これについて具体的に掘り下げていきます。
投資を始めたものの、思い当たる節はありませんか?
まずはやってみようで始めた投資も、最初はなにもわからず口座開設をし、ドキドキしながら株を買い、その株が上がったのか下がったのかの値動きに一喜一憂し、初めて配当金がもらえるとほっと一安心する。こんな経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?
株を手放すことを経験した人もいると思いますので、これを含め、投資を始めるときから現時点までの「気持ち的な主要イベント」を順番に書いてみました。
- 株を買おうと証券口座に口座開設。口座の種別がたくさんあってわからなかったから、見よう見まねで「特定口座(源泉徴収あり)」。
- ドキドキしながらも、株を購入。おすすめは高配当と聞き、配当金がある株にした。
- 念願の配当金が入ってきた。ほっと一息。次の配当金が早く入ってこないかなぁ。
- 他の株を発見!今持っている株を売却をした。売却したのは一部であり、まだ配当金がある株を持っている。
このブログを見ている多くの皆さんは、上記だと3か4でしょうか。
配当金から、税金が天引きされ過ぎている疑いあり
イメージを頭の中で持ってほしいので、敢えて難しい言葉を使わず説明します。
一言で言うと、年収1,100万よりも低い人は配当金から税金が引かれすぎています。そして、納めすぎた分は取り戻すことができます。
※社会保険料は給与収入の14.4%(協会けんぽ東京都令和元年分40歳未満)で計算しています。復興特別所得税は考慮していません。出典:ARUHIマガジン「住まい」と「お金」のこと、もっとわかりやすく
いくら戻るの?
では、どれだけ納めすぎ、つまり戻ってくるかと言うと、年収によって違ってきますが、例えば年収700~1,000万円の人は約3%、年収700万円よりも低い人は約13%。
もしも、配当金を10万円/年もらっていたら、1万3千円ももどってくるのです(つまり多く納めすぎ)!
もっと言ってしまうと、子供達であれば(給与をもらっていない人)、税金として納めた全額、そう2万円戻ってきます。下記は親が子供を扶養するかどうかの記事のため、文脈が違うのでは?と思う人がいるかも知れません。今回はイメージを掴んでもらうため、より分かりやすい記事を探したことからこれになりましたが、本質的に言っていることは同じです。48万円未満であれば、子供の税金がかからない。つまり、子供に配当金があり、そこから手引された税金は取り戻せます。
給与所得者ではなく、株やアフィリエイトなどで収入を得ている子供の場合、収入から経費を引いた所得が48万円以下であれば問題ありません。48万円より少ない場合は基礎控除を受けることで課税所得が0円となるため、所得税も発生しなくなります。
MUFG お金の育て方:子供の扶養控除の条件は?所得税や住民税の控除額や注意点を解説
なぜ、できるの?
ちょっと専門的な用語になりますが、私達が仕事などをして稼いだお金は実は何個かに分類(箱)、そこから税金が引かれます。その箱を大きく2つにまとめて、「私の収入はこれでした」と国に報告しているのです。サラリーマンは会社がやってくれるので意識しないと思います。難しくなるのでここでは触れませんが、源泉徴収票や確定申告といった言葉が関係してきます。
イメージとしては、小学生のころ、「親からは毎月お小遣いを100円をもらった」「夏休みにお祖父ちゃんお祖母ちゃんの家に行ったら、お年玉ならぬお盆玉を1,000円をもらった」「お正月に親戚のおじちゃんおばちゃんから、2,500円もらった」といったように、何種類か収入源がありましたよね。これが箱です。
そして、だいたい親が、いくら貯金するの?と口を出してきます。お母さんは「合計すると3,600円だから、3,000円貯金しなさい。どうせ持っていても仕方なから」と召し上げに来ます。素直に聞けばよいものの、反論して「いや、お年玉(という箱)は貯金するけど、お小遣い(という箱)は使いたい。」と言うと、「夏休みにもらったのはお年玉じゃないけど、お年玉扱いだから、じゃあ3,500円ちを貯金しなさい」となってしまいます。
つまり、どの箱にいれて報告するかで、預貯金として召し上げられる額が変わるのです。イメージを持ってもらえたでしょうか。
話を戻すと、あなたの年収が500万円で、配当金が100万円ありました。この状況で、別々の箱にいれると税金をがっぽり取られますが、別々の箱に入れれば税金が安くなります。という仕組みが、日本にはあります。下図だと、総合課税か申告分離課税かといった話です。
やり方は?
確定申告です。5年間遡れます。
天引き、つまり源泉徴収されない口座というのがありますが、配当金はたとえその口座で受け取ったとしても、天引きされます。そのため、確定申告するしかありません。
詳細は上級者向けになるので、別途書きます。
株の売却益から、税金が天引きされすぎている疑いあり
イメージを頭の中で持ってほしいので、これにうついても敢えて難しい言葉を使わず説明します。
一言で言うと、株を売って得た利益(売った額ではなく、利益です!)が20万円未満であれば、税金が引かれすぎています。残念ながら、納めすぎた分は取り戻すことができません・・・。
皆さん、自分の口座を、”特定口座の「源泉徴収あり」”にしていると思いますが、これを”特定口座の「源泉徴収なし」”にすることで、税金の天引きがなくなります。
いくら戻るの?
20万円未満はそもそも税金がかからないので、税金として天引きされている約20%、つまり4万円がもどってきます。
と、言いたいことろですが、この20万円未満は申告しなくてよいですというのは、所得税(15%)だけであり、住民税(5%)は納めなくてはなりません。
そのため、正しくは、3万円が戻ってきます。戻っては来ませんが、納めなくてよいことから、3万円が懐に残ります!
なぜ、そんなことができるの?
やり方は?
証券会社の口座を、「特定口座(源泉徴収なし)」に変更します。
詳細は上級者向けになるので、別途書きます。
ケーススタディ:米国株の場合も、配当金、株の売却益が取られる過ぎているか?
気になりますよね。米国現地で取られる税金があるのか、詳細をみていきましょう。
まず結果をお伝えすると、株の売却は問題なし、一方で配当金は現地で課税されています・・・。しかも10%も・・・。
日本株と比較してこの違いをおさらいすると、
- 日本株は配当金、売却それぞれの税率は約20%
- 米国株は、
- 配当金は、現地課税10%があり、日本の税率と合わせると合計約30%
- 売却は、現地課税はなく、日本の税率だけのため、合計約20%
となります。
そしてこの米国現地で取られた税金を取り戻す方法として、外国税額控除というものがあります。
米国株の配当金
取り戻し方は?
確定申告です。
詳細は上級編となるため別途書きます。