【徹底検証①】米国S&P500投資にて買うべきは、本家のETFか?それとも投資信託か?VOO vs. emaxis slim S&P500 vs. SBI V S&P500

たどり着くのはS&P500。投信のほうが有利?ポイント還元?再投資?ドル円/為替?

そこで、結局どっちなのか?そして、その決めてとなる要素はなにか?を解明します。

アプローチとしては2つ。

  • 信託報酬、為替手数料などを使い、これから買うとしたらどうなのかを検証(未来)
  • 過去を振り返り実際の株価データを使い、〇〇年に買っていたらどうだったかを検証(過去)

検証:将来の株価を使った比較

ケースは

  • 投資額240万円
  • 総合口座(NISA口座ではない)
  • 期間20年
  • 銘柄:VOOと投信はemaxis slim S&P500
  • その他:※参照

結果から言うと、投信の勝ちです。グラフの読み方は、点線は最終的な額面、塗りつぶした部分が純粋な利益です(つまり額面から投資額、税を差し引いた値)。

投信のほうが、額面では1,566,078円、利益では1,179,929円高くなります。結構違いますね・・・。

今回、投信の信託報酬は実質コストの値としている点、投信保有ポイントを考慮しない点で、投信に不利な設定にもかかわらず、投信が勝つ結果となりました。

各年の状況を見ても、投信が常に勝っています。

ちなみに、投信をSBI V S&P500にした場合でも、投信の勝ちです。

成長率:10%

配当金利回り:1.9%

信託報酬:0.03%と0.11%★

再投資:あり、と、あり

ポイント(クレカ購入):なし

ポイント(投信を持っている場合にもらえるもの):なし★

VOOは投信になぜ負けたのか?

VOOがSBI V S&P500に負けるなんて・・・。にわかに信じられない結果となりました。

しかし、実はVOOには外国税額控除など税金を減らすための手段があります。これを使った場合、投信に勝てるのか検証します。

費用の内訳

まずは、VOOの費用内訳です。

売却時にかかる税金(所得税、住民税)が全体の80%を締めていることがわかります。2、3番はいずれも配当金にかかる税金です。この3つで、費用の98.7%を締めます。

  1. 売却時の税金(所得税、住民税)
  2. 配当金にかかる国内の税金(所得税、住民税)
  3. 配当金にかかる米国側の税金

少し横道にそれますが、ここから読み解けることは、

  • 売却時の利益、配当金双方の税金がゼロにできる「NISA」とは、ものすごい制度です。やらない手はありません。
  • ついつい気になってしまうドル買い時の為替手数料(0.25銭など)には、微々たるもの。目くじらを立てる必要なしです。

です。これについては別途深堀りします。

さて、本題に戻ります。あまりにも売却時の税金が占める割合が大きいため、これを除いたグラフを作りました。配当金にかかる税金が100万円近いことがわかり呆然としてしまいますね…

節税による費用削減対策

配当金にかかる国内の税金(所得税、住民税)、米国側の税金それぞれに対策があります。それは、配当金の総合課税化と外国税額控除です。

総合課税化による効果

外国税額控除による効果

総合課税化+外国税額控除による効果

対策後の結果

VOOにかかる費用は約半分の60万円になったものの、

それでもVOOが負けます・・・

投信の勝因は?

直感的には、SBI V S&P500はVOOを買付け、それを販売しているため、VOOよりも信託報酬が高くなります。実際、信託報酬はVOOの4倍もします。一方で、投信は配当金を1円残さず再投資できるため、右肩上がりのS&P500においてはなるべく早く投資できた方が有利です。そのため、真相は、

信託報酬 vs. 再投資

について解像度を上げて分析する必要があります。

そこでSBI V S&P500とVOOの投資開始20年後を見ると、利益は投信が354,970円(税引き後)高い。再投資が生み出す利益をみると、投信が446,479円(税引き前)であり、税引き後は355,776円。このことから、利益差は再投資によるものと考えて間違いなしです。

ちなみに、今回SBI V S&P500の信託報酬は実際より相当高めの0.18%、VOOは0.03%にしました。そのため、投信の信託報酬は6倍も高かったものの、再投資の威力が勝りました。

ちなみに、これを打ち負かすだけの信託報酬は0.3%です。相当高い…からそんな投信は買わないですよね。つまり、S&P500の投信はVOOを上回るという結果になりました。

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